project STORY
project story Vol.2

ムラタシステム史上、
規模も人数も最大のプロジェクト。

LA技術部1課 村田 徹次
LA技術部1課 村田 徹次 TETSUJI MURATA
2014年10月、数多くの物流システムを手掛けてきたムラタシステムに新たなシステム開発の声が掛かった。それは数十万点以上のアイテムを管理する物流倉庫のシステム開発。過去最大のシステム開発を行う過程には、お客様に真摯に向き合うムラタシステム社員の姿がありました。
STORY 01

~お客様の要望は「物流システムの統合」~

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アウトドアスポーツメーカーのS社様から、ムラタシステムの親会社である村田機械に複数事業の商品を管理する統合システムの設備開発・設置のご依頼をいただきました。ムラタシステムは、その設備に付随するシステム開発を担当することになりました。

それまでS社様では、複数事業の商品の管理を異なる倉庫で行っていましたが、管理の効率化・コスト面をふまえ、それらを1か所に統合するということになりました。管理しなければならない部品の数は50〜80万点ほど。それらを正確に管理し、物流の流れを整理するというのが今回の1番のミッションであり、その担当として白羽の矢が立ったのはシステムエンジニアの村田でした。

「このプロジェクトは、コンペを経て受注が決定しました。設備等のハード面は村田機械が、そこに導入するソフトウェアはムラタシステムが担当し、ともに協力しながらシステムの開発を進めることになりました。

ムラタシステムでは、100人月を超えると大きなプロジェクトという感覚がありますが、最終的には通常の約3倍になりました。受注額もソフトウェアだけで数億円規模というムラタシステムでも過去最大のプロジェクトに参加する貴重な機会をいただけたと思っています。」

STORY 02

~会社や役割を超えて、プロジェクトチーム一丸となって進む~

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今回のプロジェクトは、ムラタシステムだけでなくS社様にとっても大きなプロジェクトでした。そのため、当初は、ムラタシステムの営業技術3名と、技術部6名が中心メンバーとして、進行を行っていきました。村田はインフラ設計メンバーとして参画していましたが、大型案件の経験があったため、リーダーとしての役割を任されるようになりました。

しかし、S社様の担当者とのやりとりからお取引先との連携、全体の進行スケジュールの管理、村田機械含めた社内調整まで、S社様内の担当者・関係者の数も多く、ひとつの確認においても確定までに通常より時間を要したり、全体進捗会議などで様々な共有を行ったりと、ムラタシステムにとって、また現場の責任者としてプロジェクト全体のマネジメントを任された村田にとっても、初めての取り組みばかりでした。

「お客様とお話をすればするほど、やらないといけないことがどんどん見えてきました。そして、それを実現しようとすると、必要な工数や人月もどんどん大きくなっていってしまったんです。そこで、今までと同じやり方ではダメだと思いました。体制としては、業務を細分化して、それらを担当する小さなグループを作ってお客さんと内容を詰めたり、サブリーダークラスが主体的に動いて、プロジェクトをまとめあげていきました。

当初の予定にも費用にも収まらなくなってきて、間に合わせなければいけない納期についてお客様との調整などで苦労しましたが、まずはお客様の要望を叶えられるようチーム全員が協力してベストを尽くしました。当初は2年弱ほどのプロジェクト期間を予定していましたが、結果的に稼働まで2年半かかり、改善を行いながら安定稼働するまでに1年かかりました。その間はこのプロジェクトにつきっきりでしたね。」

STORY 03

~お客様との知識のギャップを埋める工夫~

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プロジェクトの途中では、関わる人数が多いことや扱う情報量が膨大だったことから、お客様とムラタシステムの間で、「システムを統合する」というゴールがしっかり見えなくなっていた時期がありました。合意のうえで進めていたつもりでも、少しの認識の違いからシステムの内容や動きに違いが生じて、やり直しや検証をしなおすということも実際にはありました。

「ソフトウェアの開発は、私たちには簡単にイメージできることであっても、その特性上、動きなどを視覚的に確認できないため、お客様にとっては完成形のイメージが難しいということもあります。今回は、扱うデータの数も種類も多かったので、お客様の要望をどうしたら実現できるのかということを最優先に、S社の担当者さんはもちろん、社内の有識者や開発課メンバーとも改善点や実現可能性について何度も検討を重ね、できる限りお客様のイメージや理想を引き出し、システムに落とし込もうとしました。

また、お客様の気持ちは理解できるけどシステムの性能上厳しい部分について、どのように着地させるべきかという部分についても気を遣いましたね。

あと、これも初めての経験だったのですが、基本設計を詰める際には、私もS社様の制服を着て、S社様に在中して仕事をさせてもらうようになりました。でも、それくらいお客様の近くで、お客様が求めているものを即座にかたちにするような体制にしたことで、結果的に対応のスピードを上げることにもつながったと思います。」

STORY 04

~お客様に寄り添う心がつなげるチームの成長~

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プロジェクトスタートから納品まで、約2年半。プロジェクトに関わった社員は40名。開発は委託先も含め40名、現地では応援メンバーも含めピーク時には30名で対応していました。ムラタシステムの技術力を総動員し、過去最大となったソフトウェア開発プロジェクトは、技術的な革新をもたらしただけではなかったと村田は言います。

「プロジェクトに関わった若手社員を中心に、社内外の人を巻き込んで案件を進めていく推進力や調整力の重要性を本当によく理解してくれるようになりましたね。今回のプロジェクトが始まったときには、私自身、みんなで最後までやり切るということも意識していて。残業続きで大変なときもありましたが、プロジェクトメンバー同士で励まし合う姿や、若手社員の成長を近くで見れて、確実にチーム力が高まっているのを実感できたのも嬉しかったです。

昔は、私の上司から100人月を超えるような大きな案件をやってほしいと言われてきて。今回のような100人月を超える案件は、1人ではとてもまわせないし、プロジェクトメンバーも強い意思を持って取り組まないといけない。私自身、今回大型案件に携わらせてもらって、そういうことができる組織づくりをしていかないといけないと改めて思いました。」

ムラタシステムとお客様のお付き合いは、納品して終わりではありません。ソフトウェア開発では、日々新しい技術が生まれているため、システムの納品が本当の意味でのスタートにもなります。

「無事に納品できて、お客様から「ありがとう」という言葉をいただけたのはやっぱり嬉しかったですね。でも、私たちの仕事はそこで終わりではありません。今回のS社様にも納品後の特に1年くらいの間はアフターサポートをしていましたし。しっかりとお客様と向き合い、寄り添うことで、開発したシステムを安心して使ってもらえることはもちろん、私たちがいるから安心して日々の業務に取り組めるような環境作りに貢献できたらと思っています。」